先日はCDジャケットの打ち合わせのため、ディレクターとデザイナーのご夫妻とともに、神奈川県にあるカメラマンの方のスタジオにお邪魔しました。
このカメラマンの方、今回ある人の紹介で初めてお願いすることにしたのですが、先月初めてお会いした時には、今回収録予定のシューマンの曲を一通り聴いてくださっており、作曲家について調べ、このブログを読んで私の人柄を想像するなど、その徹底した姿勢に驚いたのでした。そして、私がピアノを弾いているところをレンズを通して見てみたい、そして、その時撮ったテスト写真を見て、自分に依頼するかどうかを判断してほしいとのことで、そのプロ意識に心から感服したのでした。
今回の打ち合わせにあたって、そのテスト写真をもとにデザイナーの方が何点かサンプルを作ってくださっていて、早くもCD制作の実感が湧いてきました。デザイナーのご夫妻とカメラマンの方は、今回初対面でしたが、いいものを作るためには手間を惜しまないという仕事に対する共通した姿勢があるためか、すぐに打ち解けて、和やかな雰囲気の中で話が進みました。
当初、私はスタジオ内での写真撮影をイメージしていたのですが、話をするうちに、自然の中でも撮ろうということになりました。屋外での撮影は初めてなので、非常に楽しみ!撮影の時間帯は、光が斜めになっている時が良いらしく、早朝か夕方が望ましいとのこと。朝の方が空気が澄んでいるから綺麗に撮れるのだそうで、こういう話は面白いですね。富士山の5合目など、とてもいい雰囲気が出るそうで、思わず「行きましょうか!」と言いそうになりましたが、現実的ではないので、おとなしく言葉を呑み込みました(笑)。
今回、新鮮に感じたのは、デザインより写真先行で、まずは様々な写真を撮ろうという段取りです。私は、きちんとモノを作る時には、コンセプトに基づいてある程度ラフ案を決定し、それに合わせて写真も撮るものかと思っていました。しかし、それは企業相手のプレゼンや、予算の問題が生じる場合のようで、そのように予め作り込んでしまうと、面白いものは出来にくいとのこと。その場その場の状況に応じて、自由に発想していくことが創造的な作業には不可欠だということをお聞きし、演奏にも通じることだなと、大いに納得したのでした。